ズワイガニのブツブツ 無害

環形動物

北陸新幹線が開通し、北陸の海の幸を手軽に食べれるようになりました。北陸の海の幸と言えばズワイガニですね。ズワイガニの新鮮な甲羅には黒いブツブツが大量に付着していることがあります。それらの正式な名称は「カニビル」と呼ばれているもので、甲羅に付着して成長する気味の悪い生き物です。寄生虫といえばアニサキスなどの人体に害を及ぼすものが思い浮かびますが、カニビルは可食部に悪い影響を及ぼすことはありません。

カニビルの卵

カニビルは、海に住むヒルの一種で、成体はヒルのような長細い形態をして約10cmの長さです。ヒル類に共通する吸盤のような口で魚に吸着し、体液を吸って生活します。一般的には成体が目にされる機会は少ないですが、水揚げされたカニにも成体が付着していることがまれにあります。

カニビルとは?

ズワイガニの甲羅に付着している黒い粒はカニビルの卵ですが、カニビルはズワイガニの甲羅を産卵の場所に利用するだけで、カニビルの成体がズワイガニの体内に寄生したり、ズワイガニの体液を吸ったりはしません。

カニビルがズワイガニに産卵する理由は、カニビルが生息する海底が柔らかい泥に覆われている場所で卵を産むには固くて安定した場所が必要です。カニビルが砂場に卵を産み付けることができません。他に産卵に適する場所がないため、ズワイガニの甲羅を卵を産み付ける場所に利用していると考えられます。またズワイガニと共に移動できるという利点もあります。

岩場が多い海域であればカニビルは岩場に産卵する傾向にあり、そのような海域で漁獲されたズワイガニには、カニビルの付着が少ないようです。カニビルはズワイガニの甲羅以外にも、甲殻類や貝類のような固い場所のどこにでも産卵する傾向があります。

カニビルの成体 海に住むヒル

食べても安全?

黒いブツブツが気持ち悪いですが、カニビルの卵は人体に無害なので、調理する場合は安心して食べることができます。また蟹の販売業者は「カニビルの卵が付いているのは脱皮してから期間が長い証拠。脱皮したての蟹は身入りが少ないので、逆のカニビルの卵が付いている蟹は身入りが良い」と言います。

では、なぜ蟹の販売業者はそのような噂を流すのでしょうか?

その理由は単純で、カニビルの卵を取り除く手間を省くためです。カニビルの卵が付いている蟹は見た目が悪いので、蟹の販売業者はカニビルの卵をいちいち取り除かなくてはなりません。その全てのカニビルの卵を取り除くと時間とお金が掛かります。そこで、蟹の販売業者は「カニビルの卵が付いている蟹は身入りが良い」という噂を流したのです。しかし科学的な根拠はありません。ズワイガニの黒ブツブツは人体に無害ですから安心して食べることができます。ズワイガニを沢山食べると能登半島の復興にもつながると思います。

カニに規制するフクロムシhttps://www.mitell-a.com/295/


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