有毒プランクトン まひ性毒貝の原因

海藻・植物プランクトン

植物プランクトンは酸素を産生し動物プランクトンや子魚のエサとなり食物連鎖の重要な基盤です。

しかしわずかですが有毒な植物プランクトンもいます。

宮城県の新聞で「宮城県名取市の閖上漁港でまひ性貝毒による出荷規制が続き、2月28日に規制が解除され、高級アカガイが東京の市場に出荷される」とありました。

まひ性貝毒の原因はアカガイがアレキサンドリウムと言う有毒プランクトンを摂取したのが原因です。有毒プランクトンの大きさは0.02~0.08mmで髪の毛の太さ(0.1mm)より小さいサイズ。

アレキサンドリウムは渦鞭毛藻類(うずべんもうそう)の仲間で2本の鞭毛を持つ単細胞藻類。

有毒プランクトンの大きさは髪の毛の太さの10分の1の大きさです

細胞の表面に縦横の溝を持つ独特の形をして、鎧板と呼ばれる硬い鎧(よろい)状の構造が並び、

ガラス質のケイ藻類のような繊細な形ではなくゴツゴツした形状。

縦横2本の鞭毛を持つことが最大の特徴です。一本は鞭状のものを後ろにひき、もう一本は

羽状のものを横向きの溝に沿って巻き付けるようにしています。

推進力の異なる2系統の鞭毛を備える為に、細胞は急停止や急発進、方向転換など、複雑な動きができます。

顕微鏡写真ではわかりにくいですが図にすると体の構造が分かります。

有毒プランクトンは常に同じ形態をしている訳でなく、栄養細胞、遊泳接合子、休眠性接合
(シスト)などに分けられ、それぞれに形態は異なります。

一年の殆どの期間を休眠接合子(シスト)として海底泥中で過ごします。水温が好適
な水準(15℃以下)に達するとシストから栄養細胞が発芽し、海水中で活発に増殖する。この
遊泳細胞(有害プランクト)の大量出現が貝毒発生の原因となります。

普段は休眠していますが温度変化により有毒プランクトンとして出現します。

有毒プランクトンの発生で影響を受けるのは二枚貝を中心とした貝類で、

貝毒発生で出荷が規制されるたびに「カキやアサリはお腹を壊すから

なるべく食べない方が良い」と言われます。

縄文時代の遺跡からは、貝殻が多量に出土する貝塚が見つかります。
日本人は縄文時代からタンパク源として魚貝類を食文化としてきた証拠です。

二枚貝は糖類、脂質、タンパク質の3大栄養素がバランス良く含まれているだけでなく、ビタ
ミンやミネラルなどの微量栄養素も大変豊富に含まれています。

その他EPAやDHA、鉄分、亜鉛、肝機能を整えるタウリンなども含まれ

二枚貝は栄養豊富な食物です。

日本人はもっと二枚貝を食べるべきです。


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